本州を西へ。山口県の東の玄関口「岩国」から、目指したのは「防府」(ほうふ)。 そこはあらゆる時代が行き来した、歴史の通り道でした。
奇橋?名橋?錦帯橋
山口県の東の玄関口「岩国市」。県の中央にある「防府市」までの道すがら、青い空を映し出す「錦川」と、そこに突如現れる巨大な木造のアーチ橋「錦帯橋」(きんたいきょう)。山頂の岩国城につながるこの橋は、過去幾度も洪水に流され、そのたびに人々が知恵を加えて架け直されました。6種類の木材を適材適所で使い分けて作られる構造。まるでフォーナインズフレームの考え方に通じるものがあると思うのは筆者だけ? 日本を近代化に突き動かした長州藩。その東の端である岩国で、大きなエネルギーは今も満ちあふれていました。
神戸から門司まで、瀬戸内の街を結ぶ鉄道「山陽本線」。都心の通勤電車に慣れていると、向い合せのボックスシートが新鮮。瀬戸内海の島々を眺めながら途中下車して訪れたのは「柳井市」。室町時代から続く白壁の町並み。可愛らしい「金魚ちょうちん」は、江戸末期、柳井の行商人が青森の「ねぶた」に着想を得て作られた民芸品。地元の伝統織物の染料を使って染められた金魚は、風に揺られて心地よさそう。さあ、いよいよ目的地である「防府市」へ。
難読地名の宝庫、山口。
山口県を巡っていると、何と読んで良いかわからない地名にたくさん出会います。歴史ある場所ほど昔ながらの地名が残り、それが読めない地名となるのでしょうか。難読地名の宝庫、山口県。すべて読めればあなたも地名ツウ?
日本最古に出会う
山口県のちょうど真ん中、その南側に位置するのが「防府市」。古くは周防国の中心地として栄え、現在は輸送産業を中心に工場が多く立地。
真っ青な空に映える朱色の建物。建立されたのは1000年以上も昔。学業の神様として慕われる「防府天満宮」は、日本で最初に創建された天神様だとか。多くの維新の志士達が、萩往還(はぎおうかん)と呼ばれる道をたどり、この防府の地を往来したというから感慨深い。
旬を求めて
お腹が空いたところで、防府の旬をご紹介。京料理のイメージが強い鱧(ハモ)。実は防府は鱧の水揚げで有名な街。訪れたのは、防府駅から徒歩5分のところにある「咲果庄」(さかしょう)。敷居が高いと思われがちな割烹料理を、明るい店内でリーズナブルにいただけます。ランチ営業もしており、女性客が多いのも頷ける。防府で水揚げされ、京都で腕を磨いたご主人によって調理された「天神鱧」は、ここでしか味わえない新鮮な味。1寸(約3cm)につき、24回も包丁を入れ骨切りされた「天神鱧」を、これまた鱧の骨でとったこだわりの出汁にくぐらせいただく贅沢。
【咲果庄】
山口県防府市中央町5-25
営業時間
11:00~14:30
17:00~21:30
定休日:火曜日
天神鱧の基礎知識
そもそも鱧(ハモ)ってどんな魚かご存知ですか? 鱧はウナギ目ハモ科の大型肉食魚。全長はだいたい1mから大きいものでは2mを超えることも! 本州中部より南の、比較的温かい海で捕れるお魚。ここ防府では古くから鱧の漁獲を行っていました。しかし、鱧は1200本以上の小骨があり、『骨切り』と呼ばれる独自の調理技術が必要。家庭の食卓で捌ける代物ではなく、地元ではそれほど重宝されていませんでした。そこで、地元の漁師、料理人が防府の鱧の美味しさを広めたいとの思いから、防府で水揚げされた鱧を『天神鱧』と名付けたのが始まり。今では鱧の希少性とともに、当時の4倍近い値段で取引されるようになったとのこと。現在は、山口県で水揚げされた鱧を総称して『西京鱧』という名で呼ぶようになったため、『天神鱧』は、防府で水揚げされ、防府で認められた一部の料理人が捌いた鱧のことをそう呼んでいます。地元の新鮮な鱧を、地元の腕利き料理人が捌く。まさにご当地グルメの真骨頂ですね。
防府市の最高峰「大平山」の山頂から見た夕焼け。ここからは、防府市内が一望できます。瀬戸内海の島々、山の緑、そして防府平野。豊かな自然と文化がバランスよく調和するその地形がひと目で分かる絶景スポットでした。
そして、その防府市の中心。JR防府駅から徒歩15分のところにあるのが……。
『999.9 selected by HAYASHI-MEGANE』は、山口県防府市にあるフォーナインズショップ。兄弟で運営するお店です。店長で兄の林大亮さん、弟の林洋亮さんのお二人にお話を伺いました。
私は以前、別の業界で仕事をしており、2003年に実家の眼鏡店を継ぐため、防府に戻ってきました。翌年には弟の洋亮も戻ってきて兄弟でお店を運営しています。私たちがこの仕事につく前から、フォーナインズには注目しており、店を継ぐからには私たちが好きな眼鏡、質の高い眼鏡を提供したい。そんな思いで、2004年よりフォーナインズの取り扱いをはじめました。
実際に扱うことで、フォーナンズの良さを改めて実感し、この眼鏡をより多くの方に伝えたいという思いが強まったことで2011年にフォーナインズ ショップ『999.9 selected by HAYASHI-MEGANE』をオープンしました。フォーナインズの魅力は「眼鏡は道具である。」というコンセプトの通り、視力を矯正する道具としての掛けやすさ、壊れにくさ、そして調整しやすさです。お客様に試してもらうと、掛けた瞬間、これまでご使用いただいていた眼鏡との掛け心地の差を実感される方が多くいらっしゃいます。
私たちも、本当にフォーナインズのことが好きなので、お客様に売る、というよりはフォーナインズの仲間を増やすという感覚で提案しています。また、フォーナインズブランドをより多くの方に知っていただくために、ブログやSNSでほぼ毎日情報発信しています。これも、好きなものを伝えたいという想いが軸にあるので、私たちが発信したフォーナインズ情報に関心を持っていただけたなら嬉しいです。
『999.9 selected by HAYASHI-MEGANE』に来店されるお客様は、県内が中心ではありますが、県外から来られる方もいらっしゃいます。質の高いご提案はもちろんですが、私と弟の二人三脚でやっているところも特徴のひとつ。今の仕事につくまでにそれぞれ違う道を歩んできて、趣味も好みも異なります。だからこそ二人で力をあわせることで、お客様に対して幅広いご提案ができると思っています。